2009年6月12日金曜日

立夏の儀式 フローラ












メイ・デイ

メイ・デイは女神フローラ(Flora)を奉る、古いローマの祭日です。紀元前238年、「シビルの書」*と呼ばれる預言書の中で、春の花がたくさん花や実をつけるための守護を得ることができるよう、フロラリアの祭りをするように命ぜられたのが始まりです。


フローラの配偶者は、西風を象徴する神ゼピュロス(Zephyrus)。またフローラの双子の兄弟ファウヌス(Faunus)は、全ての野生の動植物を支配する神です。

フローラは、春の女神、そして葡萄の木、オリーブ、果物のなる木、蜜を生む植物の女神です。蜂蜜は、女神への、とても神聖な捧げものでした。古代のフローラの神殿は、アヴェンティヌスの丘(ローマの七つの丘の、最も南の一つ)近くの古代円形競技場、チルコ・マッシモ(Circo Massimo)にありました。

この祝日はまた、性的な儀式の時でもあり、ローマの高級娼婦たちに讃えられ、劇場で裸で演じられました。ローマ人たちは、女性器の形をしているとされたそら豆を祝祭の時に食べることを好みました。



歴史的理解を深めるために・・・

メイ・デイでは、女神と男神の両方を讃えます。不幸にも、古代の女神の時代には、男神(王)は女神/巫女と一緒になった後、生け贄としてささげられたのでした。生け贄により、土地が肥沃になると考えられていたのです。

家父長制の時代になってからは、何千人といった女性が今度は魔女として、生け贄になり、焼かれることになりました。どちらの古いやり方も、うまくはいきません。女性とワークをする時に大切なことは、女性として癒すことも大切ですが、男性・そして女性として癒すことが大切なこともある、ということです。

メイ・デイでは、両方の性を讃えます。男性性の表現の仕方は、女性性を表現するのとはとても異なります。女性解放運動の影で、混乱し、弱められた男性性もあるかと思います。必要なのは、私たち自身の内側、そして外側の男性性と女性性のバランスの取り方を学ぶことです。これは、そのための儀式です。



儀式

メイ・デイは5月1日に祝われます。ベルテーン祝祭(ベルテネとも呼ばれる。ケルトの四大祭のひとつ。5月1日。)を祝う場合は、年によって祝う日が変わるので、その限りではありません。

メイ・デイの捧げものとして、ミルク、蜂蜜、そらまめ、芽が出た種、花、花輪、オリーブの枝、花と実のついた枝などがあげられます。この祝祭の色はピンクと淡いグリーンです。その色のキャンドルを用意してください。祭壇の真ん中に置く聖母マリアの像があるとよいでしょう。儀式の間、聖母マリアに冠をかぶせます。



祭壇

野外で儀式をとりおこなう場合には、祭壇を参加者たち全員の真正面につくってください。室内でおこなう場合、踊るスペースをとって、参加者たちの前に祭壇をつくってください。メイ・デイの色や捧げものも用意してください。中心には聖母マリアの像をおいてください。



メイ・ポール

メイ・デイは多産のお祭です。地球(地面)に立てられ、深く埋められます。それは母なる地球の肥沃な土壌に男性器の象徴とされるリンガムを立てる、豊穣の儀式です。参加者は輪になって、ポールに結びつけられたらされた、色とりどりのリボンを持ってポールのまわりを踊ります。メイ・ポールの起源は古代インドにあります。祭りのために楽しんでメイ・ポールを作ってください。



大きなメイ・ポール

私(レイリーン)は大きなメイ・ポールを作ったことがあります。捧げ物をして木を切りました。男性エネルギーを注入するため、木は男の人に切ってもらいました。このためには多くの時間とエネルギーが必要です。またポールのてっぺんに結びつけるためのリボンを何メートルも買わなくてはなりません。また参加者たちに、メイ・ポールのまわりにきちんとした模様が編めるように、ダンスを教える必要もあります。ですから、次に述べるように簡易版のメイ・ポールを作ることをおすすめします。



簡易版のメイ・ポール

ホームセンターでまっすぐな木の棒を買ってください。木からとってきてもいいでしょう。その場合、枝を切るときにはラベンダーを木に捧げてください。竹の棒でもよいでしょう。この男根の棒はだいたい150cmです。2mくらいの長さのいろいろな色のリボンを買ってください。ひとりに一本リボンを用意してください。リボンの一方の端を、ポールのてっぺんに結んで、むらなくリボンが下がるようにします。


リボンを結んだポールのてっぺんにかぶせる花のリースもつくります。花は女性器を表します。ポールは神と女神の結合となります。私は普通、花屋に売っているワイヤーの入ったテープを使ってリースを作ります。ポールにフィットするように、ワイヤーをあわせて輪にしてください。ワイヤーの輪をテープで巻いて、その上に花をテープでとめてつけていきます。



ダンス

野外でも室内でもいいです。ポールは最後に外に持っていって、地面に立てます。


ポールは男の人に持ってもらいます。足を組んで、参加者全員の輪の真ん中に座って、ポールを持ちます。輪にいる人たちはみんなリボンをひとり一本ずつ持ちます。そしてポールの周りを、方向を変えてリボンを巻いたりほどいたりしながら踊ります。ひとりがリーダーになって、みんなが続きます。ダンスは単純にしてください。でないと絡まってしまいます。ポールの周りを踊りながらマントラを唱えるのもよいでしょう。そうすると踊りながらエネルギーを高めることができます。その場合のチャントはアヴェ・マリアかデヴィのチャントがいいでしょう。


全員が踊ってポールの周りにリボンが絡まったら、輪から離れます。最後に全部のリボンをポールの根元部分で結びます。そしてポールを野外に運び、地面にさして、今しがた作った豊穣のエネルギーを解き放ちます。



一番簡単なメイ・ポール

メイ・デイに、長い箸にリボンを結びつけて、小さなメイ・ポールを作った年もあります。一日中この小さなメイ・ポールを持って、メイ・デイの祭りを歩き回りました。その日の終わりに、聖母マリアの像のとなりにメイ・ポールを置きました。翌日庭に行くと一夜にしてミニバラが全部咲いていました。何でメイ・ポールを作るにしても、この過程で大切なのは、この祝祭のための純粋な意図とプラスのエネルギーです。



男性とともに癒す

メイ・デイの祭りまでに、この儀式に、大切な男性を呼ぶかどうか決めてください。参加者全員が同意できるものでなくてはなりません。男性にも開かれた集まりにする場合には、次の儀式も行ってください。



一週間前に準備すること

参加する人は全員、なにかプレゼントを考えてください。ただし、今回の儀式のプレゼントはこれまでとは違います。女性は男性に、男性は女性にプレゼントします。プレゼントは、異性を癒す表現にしてください。短い詩や花、歌、絵などの作品などです。異性のこと、男性が女性から言われたいことを考えてください。また、女性が男性から言われたいことを考えてください。美しい花輪を作って異性にかぶせたり、美しいバラを女性に送ったりなどです。ハワイのレイのような花の首飾りを送ってもよいでしょう。短い詩を読んだり歌を歌ったりすることもできます。メイ・デイには白い服を着る伝統がありますが、カラフルな色の服や、儀式の服を着てもよいでしょう。



前日に準備すること

メイ・ポールと、祭壇の中央に置く聖母マリアの像の頭にかぶせるためのバラの花輪を作ります。キャンドル、供物、その他必要な物を買っておきます。



メイ・デイ

祭壇をつくります。このブログの「祭壇を作る」のページを参考にしてください。ただし、今回は東西南北すべての方角に女性を選ぶのではなく、男性をふたり、女性をふたり選んでください。(もしくは、2方向を男性、2方向を女性にして全員がどれかを選んでください。)四方を讃え、儀式をはじめます。それから Flora La Deesseのチャントを15分、Fauna Le Dieuのチャントを15分唱えます。それからAve Mariaのチャントを15分間唱えます。チャントの後、エネルギーを保つことが大切です。その後10分間、体を動かさず、瞑想をしてください。チャントによって、全員が癒されるエネルギーの場が作り出されます。瞑想が終わったら、リーダーが聖母マリアの像の頭に花の王冠をのせます。これは、メイ・クイーンに冠をのせる古代の伝統で、のちにカトリック教会が聖母マリアに冠をのせる伝統へと引き継がれました。



讃え合いの儀式

さて、参加者全員でプレゼントを交換する時間です。このような集まりでは女性の方が男性より多くなることが多いのですが、そのような場合には女性みんなが少ない男性を讃えることになります。ひとりひとりが男性たち全員へプレゼントを送ります。プレゼントを送る時間はひとり5分までと決めることは重要です。そうして参加者全員が公平であるようにバランスをとってください。それから今度は男性たちが女性にプレゼントを送る番です。この讃え合いの儀式が終わったら、今度はメイ・ポールのまわりで一緒になって踊ります。ポールを持つ男性を一人決めてください。ダンスが終わったら、外でポールを地面にさして立てましょう。それからミルクやハチミツ、食べ物などを野外の自然のスピリットに捧げてください。4大元素のマントラやデヴィのチャントを唱えてもよいでしょう。これで儀式は終わりです。



男性が参加しない場合

儀式に男性が参加しない場合は、これまでに出会ったことのある、尊敬できる理想的な男性像にプレゼントを贈ることになります。やりかたはいくつかあります。出会いたい男性の特徴を書き出して、全員の前で読み上げたり、父親や息子、先生などの写真を祭壇に捧げるために持ってきたり、これまでに出会ってきた男性たちを讃える詩を詠んだり歌を歌ったりといったことです。プレゼントをする意味は、男性を讃え、男性とともに癒すことです。プレゼントは男性に関して肯定的なエネルギーのみにのっとっていなくてはなりません。ここは前夫や元恋人ほかの失望を処理する場所ではありません。この儀式では男性に対して肯定的な考えを作るようにしていきます。いつか男性にプレゼントしたいものを持ってきて、どのようにこれを送るのかを話して仲間と分かち合ってもいいでしょう。



原文

http://goddessgaia.blogspot.com/2008/03/may-day.html

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(配布物)


 

◆始まりのマントラ

(日本の土地の女神を呼び出します。祭壇を作る前に唱えます。)

 

アマテラスの力と存在を呼び出します。

アマテラスに私の体、心と魂を捧げます。

私たちの儀式に祝福をお与えください。

そうなりますように。

 

 


◆祭壇を作って、東西南北をお祭りするときの言葉

(東西南北を代表する人にそれぞれ向かって言います)

 

東:「気」、インスピレーション、創造性、夢、光、軽さ、知性、スピリチュアルな導き(色:黄色)、Yam

 (お香、鳥の羽、天使の絵など)


「私はあなたの中に気のスピリットを見いだします。

私たちが呼吸するまさにこの空気に感謝します。

どうぞ私たちの儀式に参加して祝福してください。

キャンドルに火をつけてください。」

 

 

 

南:「火」、カルマや障害物を焼き尽くす、情熱をもたらす(色:赤)、Ram

 (赤いキャンドル、マッチ、大釜、オイルランプなど)


「私はあなたの中に火のスピリットを見いだします。

私たちの人生にパッションをもたらしてくれる熱に感謝します。

どうぞ私たちの儀式に参加して祝福してください。

キャンドルに火をつけてください。」

 

 

 

西:「水」感情の癒し、人生の流れ、祝福、赦し、手放す(色:青)、Bham

 (水の入った貝殻、マーメイドの絵、湧き水など)


「私はあなたの中に水のスピリットを見いだします。

あなたの、命を授けてくれる源に感謝します。

どうぞ私たちの儀式に参加して祝福してください。

キャンドルに火をつけてください。」

 

 

 

北:「地」、グラウンディング、実現、豊穣(色:緑)、Lham

 (塩、石、クリスタル、果物の入った鉢、木製のものなど)


「私はあなたの中に地のスピリットを見いだします。

食べ物や全ての物質的なものを、ギフトとして

毎日わたしたちに授けてくださることに感謝します。

どうぞ私たちの儀式に参加して祝福してください。

キャンドルに火をつけてください。」

 

 

 

◆女神フローラのチャント(15分間)


Flora La Deesse, Flora La Deesse, Flora La Deesse...

読み方:フローラ ラ デス

意味:女神フローラ

※la deesseはフランス語で女神を意味します。




◆男神ファウヌスのチャント(15分間)


Faunus Le Dieu, Faunus Le Dieu, Faunus Le Dieu...

読み方:ファウヌス ル デュー

意味:男神ファウヌス

※フランス語で、la deesseは女神を、le dieuは神(男神)を意味します。




◆アヴェマリア/四大元素のチャント(15分間)


Ave Maria de la mer

Ave Maria de la terre

Ave Maria du feu

Ave Maria de l'air


アヴェマリア ドゥラメール

アヴェマリア ドゥラテール

アヴェマリア デュフー

アヴェマリア ドゥレール


意味:

すべての水の精霊に感謝します。(la mer=海)

すべての地の精霊に感謝します。(la terre=大地、地球)

すべての火の精霊に感謝します。(le feu=火)

すべての気の精霊に感謝します。(l’air=気、空気)


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